奈良蚊帳の歴史


ならっぷ(丸山繊維産業) は1930年(昭和5年)奈良市において、丸山商店の奈良蚊帳で創業しました。
奈良蚊帳の歴史からならっぷが今に至る歴史をご紹介したいと思います。
(ちなみに蚊帳の歴史については諸説あり、ならっぷ 調べとなります)

目次

1.蚊帳の起源
蚊帳は古墳時代に中国から奈良に伝えられ、元々麻も作っていたためか昔から奈良で蚊帳作りが行われていました。蚊帳産業は麻が手に入りやすい土地であった、滋賀、福井でも広まりました。

2.蚊帳が奈良でもっとも作られていた頃
もっとも最近の奈良蚊帳の全盛期は昭和28年の高度経済成長のころ。
ナイロン蚊帳が普及し、奈良の全国シェアがNo1に、会社は27社もありました。

3.近年の蚊帳織り
「蚊帳」は薬や電気を使用しない虫除けとしてアウトドアなどにも近年見直されています。
日用品としては蚊帳生地ふきんが定番となっていますが、他にも農業用の作物を守るカバー、日本車のシートの補強材や屋上の防水シート の補強材など様々なシーンで蚊帳織りが利用されています。

蚊帳の歴史年表

270〜592年 古墳時代 蚊帳織りが奈良に伝わる

応神天皇が呉(今の中国)から来た「蚊屋衣縫」という女性が渡来したことが日本の蚊帳のはじめではと考えられています

710〜1185年 奈良・平安時代 

奈良で蚊帳が本格的に作られ始める 奈良はもともと青苧麻(麻)の産地だったため、近江と並び蚊帳を作りやすかったと言われています。

平安時代初期の伊勢神宮の行事・儀式について書かれた書物に「外蚊屋・内蚊屋」の記述があるため、奈良時代から蚊帳が使われていたことが想像されます

  

1336〜1573年 室町時代 貴族や武士の贈りものとして利用される

しばしば貴族や武士の間で蚊帳が贈答品に利用され、奈良蚊帳の物産化も始まったと書かれています。
室町時代から蚊帳について書かれた本が増えてきます。

1600〜1868年 江戸時代 庶民にも蚊帳が普及します

ようやく庶民も麻の蚊帳を使うようになり、浮世絵にも様々な画家が蚊帳が描がいています。
萌黄色の近江蚊帳も流行しました。

 

幕府御用達となった「奈良晒」の全盛期

この時の「奈良晒」を作る基盤がのちの蚊帳産業に大きく影響します
 

1867年(明治元年)奈良晒が江戸幕府倒幕により衰退
「奈良晒」を作っていた多くの職人が蚊帳作りに転身しました。

1868〜1912年 明治時代 木綿と麻の蚊帳が庶民に普及します

奈良田中町の上久保コトさんが綿麻の蚊帳を開発したことで、
麻が高価で買えなかった庶民にも蚊帳が普及します。

1912〜1926年 大正時代 蚊帳織りの機械化が進む

明治初期の蚊帳は「問屋製手工業」の手織りで作られていたため、 量産できませんでしたが、産業革命の影響で機械が導入され、量産が 可能になり「問屋制家内工業」へ移行し、大正時代に奈良蚊帳は最初の全盛期を迎えます。

1914年(大正4年) 奈良蚊帳の全盛期時代

1914〜1918年の第一次世界大戦により、世界的に蚊帳の需要が高まり、生産量が増えます。

 

1926年〜1989年 昭和時代 奈良蚊帳が全国シェアNo1に

1929年 世界恐慌により奈良の蚊帳屋が半減する。 

昭和2年に46箇所あった業者が、昭和4年には25カ所に減り、生産額も半減します。

1930年 蚊帳製造業「丸山商店」を創業。 

弊社の創業者、丸山三二が奈良市内において、蚊帳の「丸山商店」を創業します。

1939〜1945年 第二次世界大戦 

1939年(昭和14年) 戦中経済統制の下、奈良の蚊帳屋を8社に統合されます。
丸山商店は、他社2社と統合して「昭和蚊帳(しょうわかちょう)になります。
戦後に、統合した企業はまた分離され、元に戻りました。

1950〜1953年 朝鮮戦争 

1953年(昭和28年) ナイロン蚊帳が普及。
さらに戦後高度成長期で人口が増え、蚊帳の需要が高まります。
この頃奈良蚊帳は全国シェア1位になり、奈良市内27業社が再び隆盛を極めます。

1955〜1975年 高度成長期 

1961年(昭和36年) 「丸山商店」が奈良県天理市長柄(ながら)町(現在の本社工場の場所)に蚊帳の一貫生産工場を設けます。

蚊帳産業の衰退と蚊帳織りの新たな事業展開へ 

上下水道の整備やエアコンの普及。殺虫剤や網戸の開発と共に蚊帳の需要が減ってきます。
そして蚊帳の企業は「農業資材」「ふすま」「壁紙生地」「レースカーテン」などの事業にわかれていきます。



-----------ここからはならっぷの歴史と共に辿ります。-----------
 

1965年(昭和40年) 丸山繊維産業株式会社に法人化 

上蚊帳織りを利用した農業用寒冷紗の生産を始めます。

蚊帳織りで作られた「寒冷紗(かんれいしゃ)と呼ばれる布は、強風、乾燥、日光、霜、潮風から農作物を守ります。
現在でも三浦半島を始め、多くの方にご利用いただいています。約60年間に渡るロングセラー商品です。

1970年(昭和50年) 蚊帳織りの自動車の補強素材の製造開始 

蚊帳生地は織物の中で一番強度が強い織り方「平織り」で織られています。
また、粗い織り目が重ねた素材と一体化しやすい特徴があり、自動車のシート や防水布など様々なところで補強素材として使用されています。
 

1989年〜2019年 平成時代 奈良蚊帳の新たな事業展開

 

1990年(平成2年) 包装資材の製造販売マルラップをスタート 

今でも生花店の花のラッピングに使用されている。ネット状のラッピングクロスやペーパーは、一斉を風靡しました。

1998年(平成10年) 建築用の蚊帳織り屋上防水補強シートの製造開始 

屋上の防水シートの強化のために蚊帳織りが使用されています。

2001年(平成13年)ならっぷ ブランドのスタート 

ふすま地ブックカバーや文具の発売。
蚊帳織りのふきんタオルの発売。
蚊帳織りの強度や通気性のよさ、軽さや柔らかさを生かし、日々生活でご使用いただける商品を開発しています。

2005年(平成17年)ねっとワークぎゃらりー ならっぷオープン

丸山商店創立の隣町にならっぷ の商品や蚊帳織りを発信するお店をオープンしました。

2013年(平成25年)ならっぷ 海外進出! 

この年から海外へ販路を広げ、ニューヨークやパリの展示会に参加し始めます

2013年(平成25年)ならっぷ オンラインショップオープン 

他府県のお客様にも気軽にご購入いただけるよう、自社のオンラインショップでの販売も開始しました

 

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ならっぷ は、これからもさらにお客様の毎日を彩る蚊帳織りの商品を提案してまいりたいと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。