蚊帳生地の品質を守るため、
奈良の自社工場で一貫生産。

ならっぷの商品はすべて奈良の自社工場で、一つ一つ丁寧に作っています。

奈良の伝統産業、蚊帳織りの技術を使った商品は手間がかかる工程もありますが、 それもこの蚊帳織りの技術を守っていくためには必要な工程です。

蚊帳織りの基礎知識

他の織物にはないノウハウと技術が必要となる蚊帳織り

織物は、経糸と緯糸を直角に交差させて、平面上に織ったものです。
この交差の仕方で代表的な3つの織り方があり、蚊帳織りはそのうちの一つで、一番強度の高い織り方「平織り」を基本にしています。ただ、糸と次の糸との間に均等の隙間があるのが特徴で、この隙間を均等にあけて織っていくためには、他の織物にはないノウハウや技術が必要となってきます。平織りはもっとも基本的な織り方で、すべての経糸と緯糸一本ずつ交互に上下に交差しています。

平織り

蚊帳織りふきんを作る7つの工程

  1. 整経(せいけい)
  2. サイジング(経糸 糊付け)
  3. ワインダー
  4. 織り
  5. 染色、糊付け、巾出し加工
  6. 縫製
  7. パッケージング、最終検品

整経(せいけい)

経糸の準備1

大きな織り機で織るために、まず経糸を専用の糸巻き機(ビーム)にセットする工程です。

経糸となる、小さな糸巻きを400本~最多で600本まで、スタンド(クーリルスタンド)にセットします。 セットができたら、大きな「専用の糸巻き機(ビーム)」で巻き取っていきます。
糸の長さは1万ヤード(およそ9144メートル)から、もっと長い場合は糸を繋げて2万ヤード(およそ1キロ8288メートル)の糸を巻き取ります。つなげる場合は一つ一つの糸巻きを根気よく手作業でつなげていきます。

綺麗に巻けていないと織る際に切れてしまい、綺麗に織ることができないことになるので一番大切な準備工程です。

サイジング(経糸 糊付け)

経糸の準備2

整経機(せいけいき)で巻いた糸巻き機(ビーム)を1~最大10本までを合わせて、経糸の数を増して再度巻き取っていきます。

経糸の本数で、織り目の粗さを変えることができます。粗くしたい場合は経糸のビームの本数を少なく、細かくしたい時は多くします。例えば、600本の糸を巻いていたビームを2本合わせて再度巻き取るとそう本数1200本巻き取ったビームができます。 ここで同時に蚊帳織りに欠かせない糸の糊付けの工程も一緒に行います。

通常の糸は柔らかいですよね?糸が柔らかいと隙間をあけて織ることができないので、蚊帳織りの場合は必ず糊付けをして糸を硬くします。糊のついた経糸は、コームと呼ばれる櫛のような所に一本づつ通し整列して均等に巻き取ります。

ワインダー

緯糸の準備

経糸と同じく、緯糸も織機(しょっき)にセットする前に再度、巻き直します。仕入れた糸はチーズやコーンといった小さなサイズで届くので、つなげて巻き直しクリーニングもすることで、機械にセットした時に切れたりせずスムーズに長時間織ることができるようになります。

蚊帳織り

蚊帳生地を織る工程

織り機に糸をセットして織っていきます。

経糸は1本1本筬(おさ)に通して、経糸と緯糸を交差して織るようにセットします。当社にはダブルビームという4Mの広い幅の生地を織ることができる織機があります。準備した経糸は全て合わせて、ここで4000本以上になります。

1つの糸巻き機(ビーム)のが全て織れたら、新しいビームの糸を1本1本つないで、長い生地を織ります。経糸は織っている途中で、糸が切れてしまうこともありますので、糸が切れたら結び直す根気と繊細な作業が必要です。

染色、糊付け、巾出し加工

糊付け、染色、検品

織った生地の目がズレないように糊をつけます。織った生地の緯糸は柔らかい糸のままですので、織りあがったままでは、強く引っ張ったりすると 生地の目がズレてしまいます。そのため、ズレないように再度水溶性の糊をつけて乾燥します。

染織をする時も糊付けと同時に行います。糊は熱で乾燥します。夏は46℃を超える中、職人さんが作業しています。専用の大きなオーブンとローラー型のアイロンを通って乾燥した生地は、畳みながらごみがついていないか、 織目がななめになったりしていないか又、汚れていないか等を検査し、さらに再度ロールに巻き取る時に再検査を行います。

検査が終われば生地は完成!
最大2~3メートル幅、長さ400メートルの反物ができます。(完成サイズは製品によります)
ここではまだ一枚のペラペラの1枚の蚊帳生地なので、 検査が完了した生地は、重ねて縫うことでふきんのような丈夫な製品に加工します。専用の大きなスリッター機に反物をセットし、刃物でふきんの幅にカットします。

縫製

蚊帳生地を重ねて縫い、商品に加工します。
重ね縫い用の専用ミシンに、カットされた生地をミシンにセットし、重ねて縫っていきます。
大きなミシンにセットし、ズレないように縫っていく作業は慣れた人にしかできません。ふきんの四角いふち全てにロックミシンをかけて、最後は検針機にかけます。

タオルやブランケットは、お手元に届いてすぐ使っていただけるように、 縫製の後に糊を落とすために釜で茹でて、自然乾燥させ、アイロンをかける一手間を加えています。

パッケージング、最終検品

商品を包装します
縫製が終わった製品は、1つ1つ検査しながら帯をかけて袋に入れていきます。

最後に再度検針機にかけて、皆さんの手元に届く商品になります。
↓作り方の動画を通してご覧になりたい方はこちらをご覧ください